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なんかこう、ロマンティックな気持ちを喚起したいなっ!と思って、普段は実用系とか思想系の本しか読まない私ですが久しぶりによしもとばななに手を出してみました。 「よしもとばなな」でそもそもロマンティックな気持ちを喚起できるのかよっ!って感じですが、よく読む小説家は、よしもとばななか、村上春樹しかいなかったので、ばななにしてみました。 3冊ほど文庫で買ってみて読んでみました。 買ったのは、 High and dry なんくるない 海のふた です。 書かれた時期が近いのかよくわかりませんが、結果たまたま全部同じような内容・・・でした。なんとなく惹かれるものを手に取っただけなんですが・・・。今必要な内容だったのでしょうか。。。 とはいえ、期待していたような「ロマンティックな気持ち」は全然喚起されませんでしたorz 「ハチ公の最後の恋人」のようなキュンとする気持ちになりたかったのにっ!私が成長してしまったのか、ばななの気持ちがそんな気分じゃなかったのか、この3冊は、恋心的な感じというより、すべてが「郷愁」「ノスタルジア」・・・って感じでした。 おそらく少し前までの私なら、この「郷愁」にそれはそれで、どっぷりハマれたのだと思いますが、「過ぎ行くものに対する憂い」みたいなものが少し無くなってきたとこだったので、「同じことをずっとグタグタ言ってんだな~」としか感じられず・・・。 (そして求めてたのはロマンティックだし) でも、よしもとばななとか村上春樹といえば、このグタグダ、グチグチした感じのところが昔の私にとっての良いところだったわけで、逆に他の作家のを読んでも「葛藤少なすぎ!春樹みたいにしつこいぐらいに蒸し返して!」と思ったりして、面白みにかけたものでした。 あのグダグダ感は思春期特有の葛藤・・・のような感じもしますが、30過ぎにしてようやく思春期の葛藤を脱却できたのでしょうか。世の中に対する不平を超えられたのでしょうか!?グダグダ言ってる各主人公についていけなくなっていました。「おセンチに考えすぎ!」と、自称おセンチの私が各主人公にツッコミそうになりました。 昨日宮崎駿のドキュメントを見たのですが、その中で駿が「どんなに隠蔽しても作品には自分というものが出てしまう」というようなことを言っていました。 よしもとばななも、全部が自分の体験、というわけではないと言っているけれど、自分の感じたこととか感覚とかが作品に出ているのではないかなぁと思いました。自分の中にないものは結局は描けないのでしょうからね。 そう考えると、少なくともこの3つの作品で私が感じたのは、一生懸命ポジティブに持ち直そうとしているけど、向いてる方向はなんとなくネガティブ、みたいな感じでした。 以前の私・・・みたいな。結末に向かって、主人公は一応ポジティブな考え方に変わっていくんですが、圧倒的な郷愁を蹴散らすほどの、前に進むパワーは最後まで読んでも感じませんでした。「おぅ!やったるで~っ!」という気持ちにはならないってことですね。主人公も読んでる方も。私はそういうパワーを求めてたんですけど。。。 もっとおセンチで繊細なニュアンスなので、「いろいろあるけど、がんばっていこうと決めた・・・。」みたいな感じです。(私の受ける印象ですけど) ばななもそういう心の持ち主なんですかね~。(「おセンチで繊細」の方ですよ) ・・・にしても、私の前に進むパワーが強くなりすぎてるのかな・・・。よしもとばなな作品に「おぅ!やったるで~!」を求めてもダメだよね。反省。ばなな、ごめん。(そして求めたのはロマンティックだった・・・) ま、内容は私の今の気持ちにマッチングしませんでしたが、よしもとばななの本は文章のリズムが私に合っているので、それだけでも結構気持ちがいいんです。だから、腹五分くらいですが、それはそれでよかったということでしょう。思春期の葛藤が終わったということも判ったわけだし。 ポニョでも見に行くかな~。
by mamemai
| 2008-08-06 17:21
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